伝統工法 石の上に建つ木と土の家

遠州森町を拠点とし、木と土の家づくりをしています。近くの山の木を使い、近くの竹や土で壁をつくる。
手仕事の温かさ、木と土の心地よさは確かな職人がつくり、守り続けるからこそ世代を超えて受け継がれるのです。

木組み

木組みとは、職人が木の性質や木目の流れを見ながら仕口や継手の墨を付け、刻み、組み合わせる日本古来の構法です。
木と木が、がっちりとしなやかに組み合っていくので金物を使わなくとも強い構造体になります。
また、木が組み合っているだけなので順番に外していけば、傷んだ木材の交換も可能ですし、新たな家として組みなおすことも可能です。

土壁

木組みの柱と貫の間に竹小舞を編みそこへ土を塗る。
土壁の工程は竹小舞→荒壁→中塗り→仕上げと、壁の芯になる竹を編むことから始まります。
そこへ土と藁をたっぷり混ぜ練った土をしっかりぬります。乾き具合を見て、反対側からも土を塗ります。
よく乾いたら次の工程へ進むので、じっくり時間をかけて強い壁になります。土壁の一番いいところは壁が呼吸をしているということです。
高温多湿の日本に適しているということが梅雨時期に顕著にあらわれます。

石場建て

石の上に直接柱を建て、足固めでしっかりとつなぎます。
家の床下の空間を風が通り抜けるので、湿気がこもりにくく床下を目視できることで、傷んできたら補修する、メンテナンスがしやすいつくりです。100 年以上前に建てられて現存する民家や社寺の多くがこの方法で建てられています。
どんなにしっかりと作られた家も足元が腐ってしまっては永くは持ちません。
地面と家が繋がっていない、石場建ての建物は、持ち上げて傷んだ材を交換することができるので永く住み続けることができます。
また、地震の力を直接的に受けずに済む造りのため、地震の多い日本ですが
この石場建ての建物が100 年・200 年と永い時を建ち続けていられる一つの要因だと考えます。

木ごころ工房では主に土壁づくりの時など、親戚・友人・職人仲間が集まりみんなで参加する家づくりをしています。
熟練の左官職人さんの仕事を間近でみて習い小さなこどもから大人まで、竹小舞を編み、土を練り、土を塗る。
かつて日本の民家が「結」で建てられていた様に、適期にみんなで進める。
人と人が繋がり、家づくりに携わることで、どのように家が出来ていくかわかりより一層住まいへの愛着が沸くことと思います。